第61番はなかなかしっかりとした曲である。最初の2つの楽章が長く、特に第2楽章は10分を超える。各楽章の曲調がはっきりしており、いわゆる古典派の典型的な雰囲気を持っている。第2楽章の美しさは大変印象的なもので、丸でモーツァルトのような雰囲気である。弦楽器の乗ってフルートの独奏があるからだろうか。
第3楽章のメヌエットも、トリオの部分が聞かせる。速い最終楽章が、わすか3分余りであっと言う間に終わるのもいい。1776年の作品とされているが、モーツァルトの交響曲で言うとまだ31番「パリ」も作曲されていない、という時代である。モーツァルトはハイドンのこれらの作品にヒントを得て、「プラハ」や39番を書いたのだろうかなどと想像してみたくなった。
手元にあるMP3ファイルはクリストファー・ホグウッド指揮アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックによる演奏である。この組み合わせによるハイドンの交響曲集は、一連の古楽器奏法の中では演奏の骨格がしっかりとしており素晴らしい。オペラ時代の作品のいくつかはこの組み合わせで来ていこうと思う。
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