冒頭の堂々とした行進曲風の音楽は、一度聴いたら忘れられない。ティンパニーとトランペットが加わったこの曲が、ハイドンの一連の交響曲の新しいページを開いているようなイメージを与えるのは、そのせいかも知れない。
表題の「エコー」は、第2楽章のメロディーに由来するという。弱音器をつけた第2ヴァイオリンが、第1ヴァイオリンのメロディーを繰り返すさまが、まるでこだまのようだ、というのである。聞いてみると確かにそのような感じでとてもユーモラス。
第3楽章で再びティンパニーが登場するが、中間部にオーボエの愛らしいトリオが挟まれている。そして再び行進曲のような最終楽章へ。ハ長調の飾りけを排した堂々としたフィナーレである。
ブリュッヘンの演奏で聞いている。オーボエソロの美しさにほれぼれとするし、全体の風格も立派。録音も秀逸である。
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