お正月恒例のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、久しぶりにズビン・メータが指揮台に立ちました。ずいぶん年をとったなと思いましたが、それだけ円熟味を増した指揮からは、ゆったりとした心地よい音楽が流れました。冒頭のスッペもさることながら、ワルツ「女・酒・歌」の序奏からしっかりと聞かせるのは楽しく、またアンコールの「美しく青きドナウ」がかつてこれほどにまで美しく演奏されたことはないと思います。今年も好きな音楽を中心に、書いて行きたいと思います。
荒唐無稽なストーリーを持つ歌劇《夢遊病の女》を理解するには、想像力が必要だ。主役のアミーナ(ソプラノのネイディーン・シエラ)は美しい女性だが、孤児として水車小屋で育てられた。舞台はスイスの田舎の集落で、そこは閉鎖的な社会である。彼女は自身の出自へのコンプレックスと、閉ざされた環境...
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