
冷たい雪の中で凍えて震え、
激しい風が吹きすさぶ中を、
絶え間なく足を踏みしめて進む。
あまりの寒さに歯も噛み合わない。
火のかたわらで満ち足りた静かな日々を過ごす。
外では雨が降りしきっている。
倒れないように気をつけながら、
氷の上をゆっくりと進む。
強く足を踏み出すと滑ってころぶが、
また氷の上を走り、強く走ると今度は、
氷に割れ目ができて穴が開く。
閉ざした扉から外に出ると、
南風や北風、そしてあらゆる風が戦っている。
これが冬。だがこれもまた、
冬の喜びをもたらしてくれるのだ。
「四季」の中の「冬」は演奏によってずいぶん表情を変える。だがどのような演奏でも第2楽章の美しいメロディーは、一度聞いたら忘れられない。通奏低音がよく聞こえる演奏もあるし、そのうちの多くがチェンバロによるものだ。だがオルガンによるものもある。私の愛聴するマリナー盤では、暖炉のそばにいるような暖かさでオルガンを聞かせてくれる。
星の数ほどある「四季」の演奏の中で、数々の荒波にも耐え、私がいまだに最高の出来栄えだと思う演奏が、このネヴィル・マリナーによる1969年の録音だ。デッカの録音も古さを感じさせない。「春」の最初から素敵だが、ここでは「冬」に登場してもらった。この演奏は古楽器奏法だの、バロックだのと何もこだわらなくても、いい演奏はいいのだ、と思わせてくれる。とても気持ちがいい。
第1楽章の凍りつくような寒さと、第3楽章の冬の嵐。けれどもそれらはやはり、イタリアの「冬」なのだろうか。ヴァイオリンの響きは明るくて、爽快である。だから「これもまた冬の楽しみ」と言われると妙に嬉しい。厳しいだけの冬はここにはない。
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