2023年1月17日火曜日

NHK交響楽団第1974回定期公演(2023年1月15日NHKホール、トゥガン・ソヒエフ指揮)

また素敵なピアニストに出会ってしまった。上海生まれのハオチェン・チャン(Hao-chen ZHANG、张昊辰である。彼が紡ぎだす音楽は、気を衒わない程度に揺れ動き、ささいな感情の変化を表現する。その細やかで、かつ自信に満ちた音楽性は、聞き手にちょっとした驚きをもたらす。そうだ、まだこのような表現があったのだ。それは過去の他の演奏を打ち消すような攻撃性はなく、むしろその中に溶け込んで、自然に独自の世界を切り開いているように見える。なるほど、だから2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでは辻井伸之と一位を分け合った。

この音楽性が、3年ぶりにN響の指揮台に立つトゥガン・ソヒエフと唯一無二のコラボレーションを繰り広げる。結果生まれる音楽は、完璧である。さらにその音楽が、ブラームスのピアノ協奏曲第2番である。イタリアに触発された北ドイツの作曲家の、ほのかに明るく気楽でありながら、ストイックで静かな音楽を奏でると、知的な愉悦感と安らぎが高度な次元で融合する。イタリアの片田舎を旅するようなのどかなその情景は、夏の朝の中に立ち上る静かな川縁であったり、秋の夕暮れの平和的な田園だったりする。

ソヒエフの伴奏は見事というほかなかった。もともと私はソヒエフを初めて聞いた時から、N響の音がいつもと違うと感じたものだ。それはテレビで見たときに直感した。その後実演で聞いた組曲「シェヘラザード」の圧倒的な名演と、その前に演奏されたブリテンやフォーレの作品で、私は生涯忘れられないコンサートを経験したが、当時音楽監督だったトゥールーズ・キャピトル管弦楽団によるチャイコフスキーの「白鳥の湖」でも、同じことを感じた。彼は不思議なように、オーケストラの音色を操る。音と音の組み合わせが、一音一音と異なっていくそのさまを、全く最適な音量で轟かせる天才的な才能を持っている。

これがフランス音楽のエッセンスとでも言うべきもので、精緻で繊細な音の変化がもたらす雰囲気は、まるでほんの少しの醤油を混ぜただけで味が変化する日本料理のように奥深い。そして今回のドイツ音楽でも、そのことは立証されたのだ。ブラームスの内省的で複雑な心理が、こんなに見事に表現されたことがあっただろうか。そしてピアノの明るいタッチが、ブラームスとイタリアという、どこか相容れないようなものの融合を見事に表現した。あのポリーニがアバドと録音した演奏がそうであったように。

第1楽章のホルンの出だしとそれに続く長いソロ。スケルツォ楽章の独特な変化はリズムにも表現され、第3楽章でのチェロ独奏部分を頂点に、最終楽章での、まるで踊るような嬉しさの中で迎えるコーダに至るまで、酔いに酔った50分間は至福の時間だった。まさかこんな演奏を味わえるとは思ってもいなかった。ハオチェン・チャンは、プロフィールによれば1990年生まれ、若干32歳ということになる。日本での公演も多いというから、一度リサイタルを聞いてみたい。評判によればシューマンが良さそうである。

私が思い立ってN響の定期公演に出かけたのは、朝から冷たい雨が降ると予想され、趣味のウォーキングを諦めざるを得なかったからだ。NHKホールでのN響のコンサートに行くのは、コロナ禍直前の2020年1月以来だから、丁度3年ぶり。これは前回のソヒエフの来日とほぼ同時期である。だがこの間に世界は変わってしまった。プログラム・ノート「フィルハーモニー」によれば、北オセチア生まれのロシア人である彼はウクライナ戦争が始まった時、トゥールーズのオケとボリショイ劇場の音楽監督を自ら辞任したそうである。芸術家か政治を通したメガネで見られるのを嫌ったからだろうか。この間にNHKホールは改装のため、一時的に拠点を池袋に移したが、この東京芸術劇場で聞くN響は、どこか違和感があって好きになれなかった。このたび会場がどんな風に変わっているのだろうかと興味があったが、椅子の狭さや音響など、何一つ変わっていないように思えた。

ソヒエフの音楽は、健在だった。いやより深みに達したのではないか。それが如実に証明されたのが、プログラム後半のベートーヴェンだった。私はコロナ禍で、生誕250周年となった2020年のベートーヴェンの演奏会を全てあきらめざるを得なかったが、それを埋め合わせるように、交響曲が演目に上ればチケットを買って聞いてきた。第5番、第9番「合唱」、第3番「英雄」、第7番、第6番「田園」と聞いてきて、今回は第4番である。この「北欧の乙女」のシンフォニーを、記録によれば過去に10回程度は聞いているようだが、記憶に残っているのはあのカルロス・クライバーの来日演奏だけである。しかし今回の演奏は、その演奏にも勝るような完成度だったと思う。

今回の私の席は、少しケチってB席だったこともあり(何と当日券は座席指定ができないと言われた。かつてはできたのに!)、1階席ではあるもののほとんど壁際というところ。この位置で聞いた演奏もいくつかあるが、あまりいい印象はない。ところが、である。指揮者がソヒエフに変わって、何とこの位置でも素晴らしくいい音に聞こえるではないか!それは奇跡といってもいいくらいに、音と音が程よく溶け合う。さらにはピアノまでも!何度も書くが、ソヒエフの音の組み合わせのバランスと強弱の妙が、こんな位置でも確認でる!そしてN響の木管楽器が、とても見える位置ではないにもかかわらず、手に取るようにヴィヴィッドだ。何ということだろう、それに向こう側に座っているヴィオラのパートの熱演ぶりが、指揮者を超えた位置からもよくわかるのだ。

驚いたことにソヒエフは、ふだん両手のみで指揮するが、ベートーヴェンの演奏では指揮棒を持って現れた。音の強弱にさらにメリハリがつけられ、手品のように各パートを指示していく。丁度真横から見る彼の指揮ぶりは、クライバーとはまた異なった興奮に満ちたものだ。オーソドックスな演奏でありながら、これほどにまで確信に満ちた見事な演奏には、そう出会えるものではない。オーケストラも乗っている。どこかどうというわけではなく、すべてがいい。良く知った音楽が見事に終わって、マスクをしていなければ飛び交ったであろうブラボーを心の中で大きく叫びながら、許可された写真を何枚も撮った。舞台袖から花束が送られ、それが本日限りでコンサート・マスターを引退する「マロさん」こと篠崎史紀氏に渡されたとき、とりわけ大きなものとなった拍手は、珍しいことにオーケストラが立ち去っても鳴りやまなかった。そういえばそれまで冷めた客が多かったN響のコンサートだが、いつのまにか登場の際にも拍手が起こるようになっていた。3年ぶりのコンサートで、変わったものと変わらなかったもの。その両方がいろいろ発見だった、私にとっての今年最初のコンサート。

今シーズンからN響のシェフは、イタリア人のファビオ・ルイージに変わった。ソヒエフもそうだったが、世界中を飛び回る多忙極まりない指揮者には、もう少し落ち着いてコンサートを指揮してもらう必要があると感じていた。だがコロナ禍を経て、少なくともソヒエフに関しては今月はたっぷり3つのプログラムを振る。最近発表された来シーズンでも、再び1月に来日することが決まっている。ハオチェン・チャンとソヒエフは、今私が目を離すことにできない音楽家である。

2023年1月9日月曜日

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート(22)オペレッタの序曲など

後半のプログラムの冒頭では、ヨハンやスッペによるオペレッタの序曲が演奏されることが多い。またウィーン・フィルを設立したオットー・ニコライの歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲も、特別な存在として過去に2回取り上げられている。

ヨハンの作曲した数多くのオペレッタ作品は、その中で用いられるワルツや行進曲が、しばしば別の作品として成立していることも多いし、メロディーだけをつなぎ合わせてチャルダーシュとして演奏されることも多い。

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ヨハン・シュトラウス2世の作品

  • 喜歌劇「インディコと四十人の盗賊(千夜一夜物語)」序曲
    • ムーティ(93)、プレートル(08)
  • 喜歌劇「こうもり」序曲
    • マゼール(80)、☆カラヤン(87)、アバド(88)、★クライバー(89)、小澤(02)、プレートル(10)、バレンボイム(22)
  • 喜歌劇「メトゥザレム王子」序曲
    • メータ(98)
  • 喜歌劇「女王陛下のハンカチーフ」序曲
    • ムーティ(04)
  • 喜歌劇「ヴェニスの一夜」序曲
    • マゼール(94)、★アーノンクール(01)(ベルリン版)、バレンボイム(09)、ヤンソンス(16)
  • 喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
    • カラヤン(87)、クライバー(92)、バレンボイム(09)、★ティーレマン(19)
  • 喜歌劇「くるまば草」序曲
    • アバド(91)、★マゼール(96)、☆メータ(07)、バレンボイム(14)
  • 喜歌劇「理性の女神」序曲
    • マゼール(96)

スッペの作品

  • 喜歌劇「詩人と農夫」序曲
    • ★ムーティ(21)
  • 喜歌劇「スペードの女王」序曲
    • ドゥダメル(17)
  • 喜歌劇「美しいガラテア」序曲
    • ボスコフスキー(79)、★マゼール(05)
  • 喜歌劇「軽騎兵」序曲
    • ムーティ(97)、★ウェルザー=メスト(13)、☆ネルソンズ(20)
  • 喜歌劇「山賊の仕業」序曲
    • メータ(95)
  • 喜歌劇「イザベラ」序曲
    • ウェルザー=メスト(23)
  • 喜歌劇「ボッカチオ」序曲
    • ムーティ(18)
  • 「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
    • メータ(90)、☆ムーティ(00)、★メータ(15)

ニコライの作品

  • 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
    • ★クライバー(92)、☆プレートル(10)

2023年1月8日日曜日

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート(21)ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ

兄のヨハンとは対照的に、弟ヨーゼフの作品には内省的で奥ゆかしい傾向があるとされる。華やかさには欠けるものの、味わい深い作品が多い。その象徴的な作品が「天体の音楽」で、演奏される機会が多い。 しかしオペレッタ作品はなく、取り上げられる作品も少ない。

今年2023年のニューイヤーコンサートでは、久しぶりにウェルザー=メストが登場したが、何とわずか1曲を除き、すべて初登場の曲だった。そしてその1曲が、ヨーゼフのワルツ「水彩画」だったことは記憶に新しい。

  • 「オーストリアの村つばめ」作品164
    • ☆クライバー(92)、★アーノンクール(01)、プレートル(08)、メータ(15)
  • 「ディナミーデン」作品173
    • ☆ムーティ(97)、メータ(07)、バレンボイム(14)、★ネルソンズ(20)
  • 「トランスアクツィオン」作品184
    • ムーティ(94)、★ティーレマン(19)
  • 「うわごと」作品212
    • ★マゼール(80年代)、カラヤン(87)、☆アーノンクール(03)、メータ(07)、ヤンソンス(12)
  • 「天体の音楽」作品235
    • カラヤン(87)、クライバー(92)、ムーティ(04)、バレンボイム(09)、ヤンソンス(13)、ヤンソンス(16)、ティーレマン(19)、バレンボイム(22)
  • 「水彩画」作品258
    • マゼール(80)、★アバド(91)、☆小澤(02)、ウェルザー=メスト(23)
  • 「我が人生は愛と喜び」作品263
    • ★メータ(95)、ウェルザー=メスト(11)

私が最も好きな作品は「うわごと」だが、何故か演奏される機会は多くない。カラヤンがよく取り上げ、87年のニューイヤーコンサートでも演奏されたが、カラヤンとしてはベルリン・フィルとの録音盤の方が上出来である。

2023年1月7日土曜日

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート(20)ヨハン・シュトラウス2世のワルツ

年明けはここ2年に亘り、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートについて書いてきた。今年はその総集編として、ヨハンとヨーゼフの有名なワルツについて、触れておこうと思う。

毎年、数多くの作品が演奏されるお正月恒例のニューイヤーコンサートだが、後から振り返って、さてこの作品はいつ誰によって演奏されたか、と考えることは多いにもかかわらず、なかなか思い出せない。そもそも誰が演奏しても、よく似た演奏になるのも確かだが、その分印象に残らないということだろうか。もっとも、シュトラウス一家のワルツは、ウィーン・フィルでなくてもいい演奏が存在するわけで、何も有名指揮者が意を決して望むような大曲でもない。「美しく青きドナウ」なら毎年、アンコールに演奏されているから、まあ旬の演奏はその時にだけ聞いておけばいい、という考えもある。実際、どの作品が何年に誰によって演奏されたかを一覧できるアーカイブは、いろいろ探したが見当たらなかった。

そうであるなら自分で作るしかない。ここではヨハンの、いわゆる「十大ワルツ」、およびヨーゼフの「七大ワルツ」を中心に主要作品を取り上げる。またヨハンやスッペによるオペレッタの序曲は、別に取り上げることとする。★は特に印象が残った演奏。☆は次点。私が様々なソースをもとにまとめただけなので、抜け漏れがあった場合にはご容赦いただきたい。また、演奏は一部を除き、ニューイヤーコンサートが一気にメジャー化した1987年のカラヤン以降のものを取り上げた。それ以前の「古き良き時代」には、クラウス、ボスコフスキーらが数多く演奏しており、これらが今もって最高の演奏とされていることは、言うまでもない。

  • 「加速度円舞曲」作品234
    • クライバー(89)、マゼール(94)、ムーティ(04)、メータ(15)
    • 真に印象に残る演奏は、これらではなくクリップス(57)
  • 「朝の新聞」作品279
    • ★メータ(95)、アーノンクール(01)、プレートル(10)、バレンボイム(22)
  • 「ウィーンのボンボン」作品307
    • マゼール(84)、メータ(98)、プレートル(10)
  • 「美しく青きドナウ」作品314
    • ★メータ(15)、☆アーノンクール(01)、他多数
    • 毎年演奏されるが、どれも同じような演奏。その中で15年のメータは傑出していた。
  • 「芸術家の生涯」作品316
    • ★クライバー(89)、マゼール(99)、小澤(02)、ヤンソンス(06)、ティーレマン(19)
  • 「ウィーンの森の物語」作品325
    • メータ(90)、☆マゼール(94)、★マゼール(99)、マゼール(05)、☆バレンボイム(14)、ムーティ(18)
    • マゼールによる94年、05年の演奏は、序奏と後奏で指揮者自らがヴァイオリンを弾いている
  • 「酒、女、歌」作品333
    • ボスコフスキー(79)、★ムーティ(00)、プレートル(10)、メータ(15)
  • 「人生を楽しめ」作品340
    • アバド(88)、ムーティ(97)、★プレートル(08)、ヤンソンス(12)、ネルソンズ(20)
  • 「千夜一夜物語」作品346
    • クライバー(92)、マゼール(05)、☆ドュダメル(17)、バレンボイム(22)
  • 「ウィーン気質」作品354
    • ★メータ(90)、小澤(02)
  • 「我が家で」作品361
    • ボスコフスキー(79)、クライバー(89)
  • 「レモンの花咲くところ」作品364
    • アバド(88)、ムーティ(93)、ウェルザー=メスト(13)、ネルソンズ(20)
  • 「南国のバラ」作品388
    • ★メータ(98)、バレンボイム(09)、ムーティ(18)
    • ニューイヤーコンサートではないが、ウィーン・フィルによる演奏はベームによるものが名演として記憶に残っている。
  • 「北海の絵」作品390
    • ★メータ(98)、☆マゼール(05)、ティーレマン(19)
  • 「春の声」作品410
    • ☆カラヤン(87)、クライバー(89)、ヤンソンス(06)、★ムーティ(21)
    • 87年カラヤンの演奏では、ソプラノ独唱にバトルが起用されている。
  • 「入り江のワルツ」作品411
    • マゼール(96)、ムーティ(00)、ヤンソンス(06)
  • 「宝のワルツ」作品418
    • アーノンクール(03)、バレンボイム(09)、★ヤンソンス(16)
  • 「皇帝円舞曲」作品437
    • カラヤン(87)、アバド(91)、マゼール(96)、★アーノンクール(03)、プレートル(08)、ヤンソンス(16)、ムーティ(21)
  • 「もろびと手をとり」作品443
    • アバド(88)、アーノンクール(01)、★バレンボイム(14)、ネルソンズ(20)

私の好きな作品は、「ウィーンの森の物語」と「女、酒、歌」である。ともに長い序奏が付けられているが、後者の序奏が古い演奏では省略されていた。一方、前者の序奏には主にツィターの味わい深いメロディーが印象的であり、この部分を他の楽器で弾かれると、私としては興がそがれる思いがする。

2023年1月3日火曜日

謹賀新年

2023年の年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。

昨年末のティーレマン指揮シュターツカペレ・ベルリンによるブラームスの演奏会で、私のクラシック音楽の生活も一区切りを迎えた心境です。今のところ、今年の演奏会に出かける予定は何もありません。とはいえ1月は、久しぶりに来日しN響を指揮するソヒエフの演奏会には、大変興味があります(でも音質に改善が見られないNHKホール、そもそもチケットが買えないサントリー定期、それに休憩のない短いCプログラムに全く魅力を感じません)。

昨年定期会員になった東フィルの演奏会には、結局様々な理由で行けないことも多く、今年はサブスクリプションを見合わせました。実際、私はプレトニョフやバッティストーニによる演奏会にもやや食傷気味で、チョン・ミュンフンの振るいくつかのコンサートにしか興味が湧いていません。

都響は時に素晴らしいコンサートに出会えますが、直前までチケットの購入をためらうことの多いのも事実です。また東京文化会館では、しばしば品のない客に遭遇することが多く、避けています。それでも定評のある小泉和裕のコンサートと大野和士によるマーラーの「復活」などは行ってみたいと思っています。

東響も好きなオーケストラですが、川崎のホールが苦手であることと、ノットという指揮者は悪くはないですが、音を鳴らしすぎるのが気になって(東フィルにおけるバッティストーニのように)最近は避けています。

読売のオーケストラに目を転じると、ヴァイグレを始めとするいくつかの指揮者に興味を引かれるものの、ここのオーケストラは私にとって、これまで平均点以上の感動を与えてはくれませんでした。久しぶりに定期演奏会に行こうかとは思っていたりもします(ただし、池袋の会場は忌避しており、サントリー限定です)。

それでは今年もよろしくお願い申し上げます。

日本フィルハーモニー交響楽団第760回定期演奏会(2024年5月10日サントリーホール、カーチュン・ウォン指揮)

今季日フィルの定期会員になった理由のひとつが、このカーチュン・ウォンの指揮するマーラーの演奏会だった。昨年第3番を聞いて感銘を受けたからだ。今や私はシンガポール人のこの若手指揮者のファンである。彼は日フィルのシェフとして、アジア人の作曲家の作品を積極的に取り上げているが、それと同...