お正月に1週間滞在しようとしたら、オフ・シーズンの3倍以上の料金を覚悟しなければならない。このため私は、仕方なく3つ星クラスのホテルを探した。パトン・ビーチは候補から外し、大きなプールという条件は譲れない。いつも利用するAgodaというホテル予約サイトやTripAdvisorの評価を手掛かりに、まだ空室のあるホテルを探し始めたのは8月下旬だった。けれどもそのころにはすでに、お正月をまたぐ期間のホテルは多くが満室であった。あってもスイートルームの非常に高い部屋(1部屋1泊5万円以上!)しかないところも多く、しかも大晦日の夜には、ホテルが主催するディナーへの参加が義務付けられていたりする。このような馬鹿げたことのない実質的かつ良心的なところで、しかも大きなプールがあり海も近いところ。こういう条件のホテルも探せばあるもので、今回私はKata Luck Villa & Pool Accessという、カタ・ビーチの外れにあるホテルを予約することにした。
4人で滞在するには広い部屋を1つか、またはツインの部屋を2つ確保する必要がある。そしてこのホテルにはVillaタイプの部屋(キッチンもついたバンガロータイプ)とプールへ直接部屋から出られる部屋の2種類があり、後者が若干高いものの、そのほかのホテルにあるプール・アクセスの部屋に比べると安い。2つのタイプの部屋は若干離れてはいるものの、1部屋ずつ予約し、双方を行き来しながら使うとことにした。プールアクセスはちょっとした楽しみだったし、それにこのプールは長くて広く、子供は喜ぶのではないかという予想もあった。
このホテルにはヴィラ滞在者向けの比較的小さな曲線型のプールが1つと、プール・アクセスに滞在するモダンで白塗りの客室が並んで面する長方形をつなぎ合わせたようなプールがあり、後者はコの字型に折れ曲がっていて、泳いで行けば他の部屋の正面を横切って先のほうまで行くことができる。二種類の客室とプールのデザインには一貫性がなく、丸で違うホテルのように隔てられている。だがフロントやレストランは共通である。それぞれの建物を行き来する人はいないが、プール・アクセスの部屋の滞在客が、わざわざ小さなプールで泳ぐこともないだろうし、逆にヴィラの住民がプール・アクセスの建物の方へ行くこともないだろうと思われる。つまりそれぞれ特徴があって、しかも独立性が高い。
私はヴィラ・タイプの広い客室のバルコニーから見える庭園の色とりどりの植物がとても美しいと思ったし、丸型のプールは小さいながらもそれなりにリラックスができるように思えた。一方、プール・アクセスの建物はまるでカリフォルニアを思わせるようなデザインが美しいとは思う。だが少し人工的でもある。いずれにせよ風にそよぐヤシの木やその向こうに広がる青い空、そして山の頂の大仏が見渡せ、風が吹き抜けると静かなプールの水面がさざ波立つ様は、南国のリゾートならではである。ホテルが街の喧騒から少し離れていることが最大の利点であると同時に、海へも歩いていくことができる。もっとも1時間に1本の無料バスを利用すれば、毎日カタ・ビーチに行って帰ってくることも容易にできる。
レストランはホテルの玄関に面した小屋にあって、朝6時半ころから質素ながら不足感のない料理を提供する。豪華なブッフェでは決してない。だが私は、豪華ホテルの朝食がしばしばバカンス客の体重増加に少なからぬ悪影響をもたらすことを知っている。朝食がおいしすぎると昼食が食べられない。だから朝食は実質的で少なくすべきと考えると、こういう質素なほうが合理的である。なおこの界隈はヨーロッパ人が多いせいか、コーヒーが好まれる。卵料理とサラダ、それに日替わりのタイ料理。これが当ホテルの朝食である。
ホテルにはジムもある。それからマッサージの小屋もある。これらを利用するのも良いが、ホテルのすぐ前には洗濯屋、旅行会社、貸バイク、フルーツ屋、それに複数のレストランが立っている。これらを日替わりで利用することになる。ただ旅行とタクシーについてはホテルのフロントが経済的で便利である。彼・彼女らは多くがミャンマー人で片言の英語を話すが、みな親切で良心的である。プール・アクセスの部屋にはバスタブもついているが、シャワーが基本だろう。そして各部屋には快適なデッキ・チェアーが備え付けられており、そこに座ってコーヒーを飲みながら本でも読んでいると、他に何もしたくなくなる。ただし虫よけのスプレーを持っていくこと(そばのファミリー・マートでも買える)。
3つ星だと割り切る限りホテルに関して大きな不満はない。特にシーズンオフであれば大変リーズナブルな料金で滞在できるだろうと思う。ただ部屋のエアコンが少しうるさいように感じた。乾季は消したまま寝ることもできるが、雨季だとちょっと辛いかもしれない。
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