序奏なしで始まる第1主題は、なめらかに歌うように始まる。ここ数曲のハイドン交響曲の中では、やや趣きが異なると感じる。浮き立つようなメロディーではないが、これはこれで落ち着いた好感の持てるものだ。シューベルト風のムードとでも言おうか。
第2楽章に入っても静かで美しいメロディーが続く。何かをしながら、あるいは電車に乗りながら聞いていると、今どこを聞いているのかわからなくなってしまった。するとアレグロ風のメロディーが聞こえてきたので、もう終楽章に達したのか、などと思ってしまった。このメロディーは繰り返され、展開もされる小さなソナタのような感じでコーダもある?
ところがその後に本当の第3楽章が始まった。元の雰囲気に戻るので、第2楽章の後半は何か特別な部分だったように感じる。そして第4楽章へ。ヴィヴァーチェという速度指定だが、やはり落ち着いた感じで、しみじみと美しい。対位法がうまく使われていて美しい。全体的に起伏に乏しく地味だが、それだけにこれまでとは異なった魅力を放つ作品に仕上がっている。
オルフェウス管弦楽団の考えられたアクセントが微妙な気品を表現し、独特の味わいがある。
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