神峯山寺(かぶさんじ)はそのポンポン山への登山の入り口にある、なかなか風情のあるお寺で、あまり有名でもなく、かといってそれほど知られていないわけでもない。天台宗のお寺で開山が697年というから奈良時代の話である。考えてみれば、箕面から勝尾寺を経てここに至るまで、修験霊場を通ってきたことになる。役行者の銅像などもあるから、まさにそのような北摂の「秘境」を散策しているのだが、家から近いところの山々がこのような歴史を持っているのかと思うと、何かとても不思議な気持ちであった。
写真はその神峯山寺の写真(撮影は2009年の秋)だが、細い道をくねくねと通ってきたところに広大なお寺の参道があって、平日は静かなところである。時おり参拝客がつく鐘の音が谷間にこだまする。そのような神峯山寺を突き抜けて、本山寺の参道となり、ここをポンポン山めがけて上り坂が続く。ハイカーも多く、道も狭いので、他の客に邪魔にならないようにテンポよく歩いていたら、意外に速く山頂に着いた。足を鳴らせばポンポンと鳴る、などと言われているが、頂上には広場も少なく景色も良くないので、そのまま下り坂を勢い良く下る。
それからどういうところを通ったか、もう昔のことなので忘れたが、気がつくと京都に入っていて、宅地化の波が波及してきているそのような郊外の縁を、楽しく歩いていた。「南春日」という阪急バスの停留所があるのを発見したので、今日はそこまでとし、家路を急いだ。そこから先は京都のへりをまわって社寺仏閣を尋ねる、なかなかのコースである。だが長い距離を歩いた私たちは、気持ち良い疲れを感じながら、阪急東向日駅に着いた。
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