
ウェーバーのピアノ協奏曲は番号付きのものは2曲あるが、それらとは別に、比較的良く演奏される「小協奏曲(コンツェルトシュトゥック)」というのがあって、17分ほどの切れ目ない曲である。面白いのはこの曲が、標題付きの協奏曲であるという点だ。作曲家が自ら語ったストーリーに合わせて曲が進む。那須塩原駅を通過。ドイツ・ロマン派の初期の曲は、なぜか東北への旅に良く似合う。
「魔弾の射手」にあるような、どこか郊外の森の中に入ってゆくような伴奏が終わって、静かにピアノが入って来る。 ウェーバーは1786年に生まれ、1826年に没している。40年にも満たない人生だった。丁度、ベートーヴェンとワーグナーをつなぐ作曲家である。自らピアノの名手として活躍したのはベートーヴェンと同じで、オペラにも多くの作品を残している。比較的軽く見られているが、私はウェーバーの音楽が好きである。ドイツのインターネット・ラジオなどを聞いていると耳にすることが多い。
曲は4つの部分に分かれている。ある貴婦人が十字軍の一員として遠征中の騎士である夫と、夢の中で再会する物語が、ピアノを交えて進む。ロマンチックなメロディーがショパンを思わせる華麗なメロディーに変わっていたが、それもつかの間、不安に襲われる貴婦人。彼女は夢の中で、戦地に取り残される夫の姿に出会ってしまったのだ。
列車は新白河駅を通過し、福島県に入ったようだ。雲の合間から、日が差し込んでくる。やがてクラリネットの旋律に乗って、次第に近づいてくる行進曲風の曲。曲は一転、ハ長調の明るい曲となる。ピアノが高い音から低い音まで何度も行き来し、浮かれ立つ貴婦人の心情が、軽やかに奏でられる。
喜びに溢れる最後の部分で、ヘ長調に転ずると、元気よく絢爛のうちに幸福な音楽が幕を閉じる。今は高齢のブロムシュテットが東ドイツで活躍していた若い頃の演奏。シュターツカペレ・ドレスデンの独特の響きが大変好ましい。ペーター・レーゼルのピアノもメリハリの効いた指揮に合わせて、明るく冴えたタッチを聞かせている。
外はいつの間にか雨が降っている。今日はこのまま一日中雨が降る予報である。このまま今日は列車に乗って一日を過ごす予定である。いつのまにか郡山を過ぎ、福島に向かっている。まずは福島で途中下車してみる予定である。
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