阪急京都線の四条河原町が私たちのハイキングの起点となった。といっても実際にはバスが三条京阪から出る。そして当時京阪電車はここが終点で、四条河原町から三条京阪までは、鴨川沿いに歩いたものだ。早朝に千里を出発して四条河原町に急行で着き、さらに三条京阪からバスで出発地点まで行くともうお昼近くになっていた。
鴨川沿いを歩くことは、しかしながら実に気持ちのいいものだった。早朝であれ夕方であれ、河川敷をゆっくりと歩きながら、ゆったりと過ぎてゆく京都の街の美しさを感じた。玄琢を出発して、車道と北山の山道を少し歩き、貴船口駅に着いた時には、少し日が傾きかけていた。だが、鞍馬寺を経由して大原まで歩くには距離がありすぎた。細切れになるのは承知の上で、私たち四人は早くも京福電鉄に乗り、出町柳に向かった。写真はその当時のもので、満員の車内から前方を撮影したものだが、向こうに見える山は比叡山で、岩倉付近を通過中ではないかと思われる。
出町柳駅も今と変わらないローカルの駅だが、そこから京阪三条を経て四条河原町までの数キロを、私たちはまたもや歩き出した。秋の日が傾き、夕日が鴨川に映えて大変美しかった。朝とは違うくつろいだ光景があった。犬を散歩させながら歩く人も、カップルも、何かとても自然な感じがする。私はその後、大学生になってからもここの付近を愛したし、今でも義理の妹が住んでいる北白川へ向かうときは、この付近を通りながらこの日のことを思い出す。
そういうわけで東海自然歩道の記憶はほとんどないが、その往復に友人四人と歩いた鴨川の景色は、私の心に長く残っている。嬉しいことに、いまでもその風景はほとんど変わっていない。
2012年9月6日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調作品102(Vn: ルノー・カピュソン、Vc: ゴーティエ・カピュソン、チョン・ミュンフン指揮マーラー・ユーゲント管弦楽団)
ブラームスには2つのピアノ協奏曲、1つのヴァイオリン協奏曲のほかに、もう一つ協奏曲がある。それが「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」という曲である。ところがこの曲は作品番号が102であることからもわかるように、これはブラームス晩年の作品であり(54歳)、すでに歴史に残る4つの交...
-
現時点で所有する機器をまとめて書いておく。これは自分のメモである。私のオーディオ機器は、こんなところで書くほど大したことはない。出来る限り投資を抑えてきたことと、それに何より引っ越しを繰り返したので、環境に合った機器を設置することがなかなかできなかったためである。実際、収入を得て...
-
1994年の最初の曲「カルーセル行進曲」を聞くと、強弱のはっきりしたムーティや、陽気で楽しいメータとはまた異なる、精緻でバランス感覚に優れた音作りというのが存在するのだということがわかる。職人的な指揮は、各楽器の混じり合った微妙な色合い、テンポの微妙あ揺れを際立たせる。こうして、...
-
当時の北海道の鉄道路線図を見ると、今では廃止された路線が数多く走っていることがわかる。その多くが道東・道北地域で、時刻表を見ると一日に数往復といった「超」ローカル線も多い。とりわけ有名だったのは、2往復しかない名寄本線の湧別と中湧別の区間と、豪雪地帯で知られる深名線である。愛国や...
0 件のコメント:
コメントを投稿