
威勢よくはないが、しっかりとした足取りで開始される第1楽章は、第3番や第5番のような爛漫な雰囲気ではなく、もう少し影がある。だが、このようなモーツァルトもまたいいものだ。第2楽章などは特に、そう思う。第3楽章になると、途中でヴァイオリンが2つの音を同時に鳴らすような弾き方をする。その部分が面白い。
パメラ・フランクによるこの演奏は、2枚組で1000円程度で買ったように記憶している。しかし録音の素晴らしさと、それになんといっても伴奏のトーンハレ管弦楽団の透きとおった、それでいて品のある伴奏は、丸でミネラル・ウォーターのように心地よい。デイヴィッド・ジンマンが指揮をしているこのARTENOVAのシリーズは、ベートーヴェンやシュトラウスなどの快進撃のあと、マーラーを経てシューマンやシューベルトの交響曲をすべてリリースした。
この2枚組は全集だが、どの曲の演奏も素晴らしい。特にここで私は第4番の演奏として、少し古楽器の影響を受けた最近の演奏で聞いてみたいと思った。この曲はそういう演奏によって、見事に新しい息吹を吹き込まれた。それもさり気なく。
まだ20歳にもなっていなかったモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の録音を、これ以上集めることはないだろう。 すなわち、古いが今でも高貴なグリュミオー、個人的に好きな90年代初頭のベル、そして新世紀に入る頃のフランク。このどれかで、私の場合はまあ十分である。
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