2013年6月19日水曜日

ホアヒンへの旅-ホアヒン

ホアヒンはタイ王族が別荘を持つ高貴なリゾート地である。バンコク湾に面していることは、かの有名な対岸のパタヤと同じだが、ここは東側のパタヤとは異なり西側にあって、そのまま南下するとマレーシアに至るマレー半島の細い部分の入り口、プラチュアッブキリカン県にある。バンコクからは200キロ程度で、車で来ると3時間強である。

ホアヒンへは、バンコクから列車で来ることもできる。速度の遅いタイの国鉄では、ホアヒンを経由してさらに南下する列車を多数走らせているが、移動手段としての列車はさほどポピュラーではない。しかしホアヒンの玄関は鉄道駅ということになっている。それはここの駅には、王室専用の待合室があるからで、ここがホアヒンの第一の観光地となっている。私たちもホアヒンを去る前日、ここの駅でしばらくのんびり過ごした。1時間ほどの間に2本の列車がやってきて、人が乗り降りし、発車していった。

駅のすぐ近くには有名なナイトマーケットがある。私はホアヒン滞在中幾度かここへ来て、屋台で買い物を楽しんだ。さらにはシーフード・レストラン!ホアヒンの第一の楽しみは、エビやイカなど豊富な海産物である。よく冷えたシンハーやチャーンのビールとともに、大きなエビを頬張る。物価はバンコクより安いが、より庶民的である。のんびりしているせいか、運ばれて来るのが遅い。

駅からまっすぐ海に向って伸びる道路が、バンコクから来るメインストリートと交わる交差点のあたりが中心地で、待ち合わせ場所として利用されるクロックタワーもここにある。交差点を挟んでナイトマーケットと丁度反対側には、より高級なショッピングセンターがあり、有名店やスーパーマーケットなどがある。一度は行くのも良いが、短期旅行者が何度も行く所ではない。

南北のメインストリートを挟んで東側、すなわち海側が旅行者のエリアである。のんびりとした田舎の街を思ってここへ来ると、ホアヒンもまたタイの一大観光地であることを実感する。ヒルトンホテルを目印に、その周辺の通りという通りは、国際的な旅行者のための店がひしめく。世界中の料理が食べられるのもここの特徴である。ドイツ料理、イタリア料理、あるいはスイス風のパン屋まで、ここにはヨーロッパ人の長期滞在者(あるいは居住者)のための施設が揃っている。

ホアヒンの最高級ホテルは、ヒルトンの南側にある広大なソフィテルである。ホアヒンの中心地に泊まってのんびり過ごすには、ここしかない。だがここは大変に高く、滞在者でないと入れないことになっているので、私はいかなかった。子供連れのような場合には、郊外に欧米の高級クラスのホテルから地元の安いホテルまで揃っている。ただいずれもバンコクあたりから週末に出かけるリゾートといった感じである。

ホアヒンの海岸は、大変賑わっていて風景明媚だが、泳ぐにはいささか問題がある。海はプーケットのようにきれいではなく、クラゲが泳いでいたりする上に、波がやや高い。このため泳ぐのはもっぱらホテルのプールということになる。ということは滞在のポイントとしてはプールの質ということになる。より遠くに行けば(つまりホアヒンから離れれば)、きれいな海もあるようだ。タイ人は、ホアヒンでも楽しそうに水遊びをしている。バナナボートが時々走ってくる。

ホアヒンの海沿いには、さらに多くのシーフードレストランが立ちならんでおり、どこも非常に賑わっている。郊外を含めどこに宿泊しても、ホアヒンの中心部に出かけることになる。日が沈みかけてから夜が更けるまで、ホアヒンの街は活気づく。ホテルはたいていホアヒン中心部との間に定期バスを走らせており、これを利用するのがいい。帰りにバスがなくなっても、そこら中にいくらでもタクシー屋がたむろしているので、ほぼ一定の料金で賃走してくれる。ほぼ毎日のように、ホアヒンの街に繰り出すことになったとしても、3泊以上の滞在なら郊外の広いホテルがいいだろう。私も大晦日を含め、何度もホテルと街を往復した。私の泊まったホテルは厳密にはチャアムというところにあって、ここは別の県に属しているが、ホアヒンから30分程度であった。高速で飛ばすタクシーに揺られていると、タイに来た実感が湧いてきて、大変爽やかな気分であった。

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