昨年の1月1日に旅行を中断し帰国したのは、仕事のためである。だが麗しきタイへの旅は、ここで中止するわけには行かない。前年に引き続きプーケットへの旅行を計画したが、バンコク、香港、クアラルンプール、シンガポール、広州、上海、北京、台北、それにソウルのいずれを経由しても、10月の時点では格安飛行券はほぼ満席、高い飛行機代とホテル代を支払わない限り、年末年始の旅行は難しいことが判明した。
一方、それ以外のアジアのリゾート、すなわちバリ、サムイ島、ベトナムのニャチャンなどは、季節風の影響でベスト・シーズンとは言い難い。そういうわけで諦めかけた矢先、私はひとつの考えを思いついた。それは比較的多くの便が飛んでいるバンコクへ行き、そこから陸路で行けるリゾート地を探す、というものである。バンコクなら最悪そこで滞在するのも悪くはない。ただ子供連れの家族旅行では、バックパッカーのような機動性は発揮できない。
そのようにして航空会社や旅行会社のWebページを漁っていたところ、昨年も利用したキャセイ航空のバンコク往復の航空券が、比較的安価に売られていることを発見した。東京から香港へは非常に多くの便があり、しかもそのうちの半数は羽田発着である。乗継時間を1時間とすれば、バンコクへの乗継も便利である。香港の空港が1時間のトランジットというのも冒険だが、キャセイの時間に厳密なオペレーション(それは実に素晴らしい)を考えると、これは不可能ではない。
お正月休みをうまくはさんで、小学校が冬休みに入る12月26日朝に羽田を立ち、その日の夕方にはバンコクへ到着できる。ここでタクシーをチャーターすれば、その日のうちにホアヒンへたどり着くことも可能だ。ホアヒンには1週間ほど滞在し、年を越して正月2日にバンコクへ戻り、20年ぶりのバンコクで3泊、1月5日に羽田へ戻るという日程がベストな選択であった。私はAgoda.comで昨年同様、ホテルを検索し、子供が泳ぐプールが広い比較的リーズナブルなNovotalに決めた。ホテルの手配でタクシー会社も決まり、あとは風邪をひかぬよう万全の体制でクリスマスの3連休を過ごした。
2012年12月26日(火)、私は久しぶりに機上の人となった。香港までの4時間を興奮気味に過ごし、遅れた出発時刻も到着時には30分早いという素晴らしい定時運行で、1年ぶりの香港へ。さらに乗り継いで夕方5時には、新しく出来たスワンナプーン国際空港へ降り立った。広い空港に圧倒されながら、タクシーの運転手と無事に出会い、そこから高速道路を飛ばして一路マレー半島を南下した。
久しぶりに訪れたバンコクは、がらりと雰囲気が変わっていた。汚い路線バスや、荷台にまで子供を乗せて走るトラックなどというものは見かけなくなり、大きくて新しい乗用車が縦横無尽に高速道路を飛ばす。空港を出て到着まで、信号というものがまったくない。途中、コンビニやショッピングセンターなどがいくつもあって、熱帯の土地であることを除けば、タイであることを忘れるくらいである。私たち家族を載せたトヨタのタクシーも快適そのもので、約3時間の行程を心地良い眠りとともに過ごすことになった。今朝までの分厚い防寒具はとっくに脱ぎ棄て、南国の風を浴びながら、私たちは月光の輝く優雅なリゾート、ホアヒンに到着した。
2013年6月17日月曜日
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