特に何かを書きたくなるようではないこの曲については、第2楽章が晩年の「時計」のようなリズムだったことが印象に残る程度のものだったのだが、ではなぜここで取り上げるのかと言われれば、それはこのディスクを持っているからというしかない。

ハイドンが好きな私も何度か足を運ぼうかと思っていたが、いまだに果たせていない。入場料6000円がちょっと高い、というのが本音だが、ここにその模様をライヴ収録したCDが順次発売され、第53番「帝国」などとカップリングされたものを購入してみたのである。
このようなマイナーな曲がどの程度演奏者の心をとらえているのかはわからないが、ここで聞く初期のハイドンの交響曲が、実によくまとまっていて、完成度が高い。日本人による古楽奏法のハイドン、しかも全く有名でない曲なのに、と書くと大変失礼だが、これは種々の演奏に勝るとも劣らないくらいの素敵な録音で、まったくもってハイドンが板につている。それは驚くべきことである。
このCDによって私が感じたのは、そのような演奏の完成度の高さと、ハイドンの演奏に十分な説得力を与える自信に満ちた息遣い、それをことさら強調するでもない、さやしくて頬をなでるような柔らかい響き。我が日本の演奏水準もかように高水準なのか、と畏れ入ったことを正直に告白しておきたい。
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