2012年6月13日水曜日

ハイドン:交響曲第31番ニ長調「ホルン信号」(ニクラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス)


ここで言う「ホルン信号」とは郵便ホルンのことだそうだが、モーツァルトの「ポストホルン」セレナーデのように、特にその楽器で演奏されるわけではない。むしろより特徴的なのは、ホルンを4本も用いていることで、ただでさえ編成の小さい楽団にあって、ホルン4本というのは非常に特徴的である。事実、ホルン奏者が4人もいたらしい。ハイドンの交響曲には、このほかにも4本のホルンを用いたものがある(13番、39番、72番)が、やはり同時期に作曲されたらしい。

第1楽章の冒頭から、4本のホルンの印象的なメロディーで快活に始まる。やはり長調の曲はいいなあ、などと考えてしまうのだが、ホルンの特徴を活かして、低い音からいきなり高い音にジャンプする部分が見受けられる。そして久しぶりのフルート。階段を駆け上るようなメロディーに心を奪われる。

第2楽章や第3楽章の優美さは、やはりハイドンの良いところが出ていると思う。モーツァルトほど天才的ではなく、ベートーヴェンほど集中力があるわけではないが、ここにはまぎれもなくハイドンのエレガントなメロディーがあって、何とも心地よい。

30分近い曲は、ここまで聞いて来ると非常に大規模に感じる。反復も多い。再び早い曲に戻るかと思いきや第4楽章は、さまざまな楽器が入れ替わり立ち替わりゆっくりとしたメロディーを繰り返す変奏曲となる。コントラバスまでが登場して音楽がとても静かになって行くと、いったいいつ終わるのだろうと思っていると、最後は第1楽章のようなメロディーが現れて快活に終わる。私は「エロイカ」の最終楽章を思い出した。

ホルンが活躍するこの曲は、ニクラウス・アーノンクールが指揮するウィーン・コンツェントゥス・ムジクスに登場願おう。細部にまでたっぷりとした表現で、他の演奏とはまた違った趣がある。私の現在持っている唯一のアーノンクールのハイドンのシンフォニーのCDである。

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