イングリッシュ・ホルンという楽器は、音色こそホルンに似ているが、形の上ではむしろオーボエに近いので、オーボエ奏者が代わりに吹く楽器とされている。ドヴォルジャークの新世界交響曲の第2楽章でとりわけ有名なこの楽器を、オーケストラ曲の中で使用することは、実際のところはあまりない。ましてやそのイングリッシュ・ホルンを2本も使う曲など、聞いたことがなかった。ところがハイドンのこの曲は、それをするのである。しかもホルンと絡む。
第1楽章は、ゆっくりとしたメロディーで始まる。いきなりホルンのくすんだ音色がプー、プーと言ったかと思うとイングリッシュ・ホルンがそれに続いてもの憂いメロディーを奏でる。弦楽器が後ろでズンズンとやっている。長調なのにちょっと変だな、そうかこれは序奏なのか、などと思ってみたところで終わる気配がない。結局6分余りの時間をこのズンズンとプープーが続く。いったいこれは何なの?
でもハイドンの交響曲では、こういうちょっと機知に富んだユーモアが随所で開花する。第2楽章になって待ってましたとばかりに勢いのある音楽がほとばしり出るのだ。続く第3楽章はメヌエット。私のお気に入りのCDであるサイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団の演奏では、全体にわたって通奏低音が入っており、この楽章でも快活にリズムを刻んでいる。

お気に入りのラトルのCDは、この曲のほかに86番と102番をカップリングしている。その意図は私には不明である。誰かご存知でしたら教えてください。
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