2012年6月21日木曜日

ハイドン:交響曲第41番ハ長調(フランス・ブリュッヘン指揮ジ・エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団)


冒頭のティンパニーの響きとそれに続くメロディーは、ブリュッヘンの演奏で聴くとやや勿体ぶっているように聞こえる。けれども祝典的な雰囲気の演出としては成功している。リズムを少し絞って、時により遅くしたり強弱の対比を際立たせることで、この交響曲が少し意味を帯びた感じに聞こえてくるからだ。ここらへんが演奏の効果だろう。

第2楽章ではフルートが、まるで蝶が舞うような特徴的な旋律を奏でる。伴奏はいつものハイドン節だが、どの曲も少し味わいが違うというのが面白い。必要に迫られての飽きさせない工夫は、さりげないもののずいぶん苦労したのではと想像する。

トリオを含むメヌエットを経てフィナーレでは、一気に快速に忙しく進むが、ここでもトランペットとティンパニーが大活躍し、騒々しく(華々しく?)曲を閉じる。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調作品102(Vn: ルノー・カピュソン、Vc: ゴーティエ・カピュソン、チョン・ミュンフン指揮マーラー・ユーゲント管弦楽団)

ブラームスには2つのピアノ協奏曲、1つのヴァイオリン協奏曲のほかに、もう一つ協奏曲がある。それが「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」という曲である。ところがこの曲は作品番号が102であることからもわかるように、これはブラームス晩年の作品であり(54歳)、すでに歴史に残る4つの交...