1779年の作曲。ハイドンは47歳、モーツァルト23歳である。目立たないが、味わいのある曲で、聞けば聞くほど好きになる。私はいつもこのブログを書くために最低2回は聞くことにしているが、この曲は4回以上も聞いた。すこし変わったイメージの第1楽章は一度聞くだけで印象的だが、第2楽章のメロディーも何かベートーヴェン風で、前の69番とどこか似ている。
もっとも特徴的だと思ったのは、第4楽章である。ここで序奏に続いてフーガが始まるのは、あのモーツァルトの「ジュピター」を思い出させる。ただ「ジュピター」は1788年の作品だからこの作品の9年後ということになる。もっともフーガ自体はバッハ時代に多くあるので、古い感じであるとも言える。交響曲に使われているというところが面白い。
サイモン・ラトルがバーミンガム時代に録音した2枚のハイドンは、曲の組合せが面白い。このCDは60番、70番、そして90番という切れにいい番号の作品が並んでいる。その意図は不明だ。いつも聞いてきたホグウッドの演奏と違い、モダン楽器による演奏で響きがシンフォニックである。そのためか聞いた印象ではハイドンの交響曲がここでまた少し進歩した感じだ。このように演奏によって聞いた印象は結構違う。
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