2012年7月1日日曜日

ハイドン:交響曲第50番ハ長調(トマス・ファイ指揮ハイデルベルク交響楽団)


ブリュッヘンによる演奏が続いたので、久しぶりに気分を変えてファイによる最近の録音で聞いてみる。するとどうだろう、これまでに聞いたことのなかった音がバンバンと聞こえてくる。強烈なアクセントと時折フワーとした金管楽器の変な音色。通奏低音まで響いている。

このような聴き比べがクラシック音楽の醍醐味の一つだが、ではこのハイドンの50番の交響曲でそれをやる人が一体どのくらいいるかはよく知らない。ニックネームも付いていないこの曲が、一体どういう曲なのか、知る人はおそらく非常に少ない。

手元の資料によれば、この曲こそマリア・テレジアのエステルハーザ訪問時に演奏された曲だそうだ。ハ長調による正攻法の音楽は、ハイドンが数々の実験を試みた頃にあって、実に堂々とした風格を備えている点は48番と同じである。

第1楽章の冒頭に長すぎない序奏があって、何か懐かしい雰囲気(もっと前の作品に見られた)と、革新的な雰囲気(モーツァルトやベートーヴェンの交響曲を思わせるような)が交錯している。だが主題が提示されると落ち着いて音楽の流れに身を任せることができる。第2楽章でもそれは同じ。気品に満ちている。第3楽章のトリオを経て急速な第4楽章に突入し、いろいろ音楽上の革新的な工夫もあるらしいが、まあ聞いていて心地よい音楽であることには違わない。

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