2012年7月8日日曜日
ハイドン:交響曲第56番ハ長調(アダム・フィッシャー指揮オーストリア=ハンガリー・ハイドン・オーケストラ)
もともと交響曲は、オペラの序曲から進化した(と学校で習った)。だからかどうかは知らないが、オペラを多作するこの時期のハイドンの交響曲が、若干オペラ化しているというのは不思議でない。というよりは、オペラの要素が交響曲に取り入れられて充実し、華やかで規模の大きな作品が目立つようになってきた。
第53番「帝国」より前と後は、やはり何かが違う。そして作曲年代でみると1774年ということになる(もっとも第53番だけは1778年頃)。この時期からハイドンは、オペラの作曲に力を入れることになる。それはそのような要望に基づくものだが、私は上に述べたように、このことがハイドンの交響曲により大きな広がりをもたらした。
だがそのような中にあってこの第56番は、ハ長調という調性をとりながらも今一つぱっとしない印象だ。もちろんそれは前後の他の作品に比較してということなのだが。印象を言えば、第1楽章など大変堂々としていて、ハイドンのこの時期の自信を感じるが、まあこれぐらいは簡単に書けますよ、という余裕を感じる。聞く側の耳が肥えているからなのかも知れないのだが。
これに比べると第2楽章はやや深い味わいに満ちている。この味わいは、やはりロマンチックである。弦楽器の刻むリズムに乗って木管楽器(ファゴットやオーボエ)が物憂げなソロを奏でるあたりなど、全体を通して何かベートーヴェンの前ぶれを感じさせる。そして第4楽章の雰囲気はやはり何かオペラの序曲めいているように聞こえるのは私だけか?
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