交響曲第76番から第78番の3曲は同じ時に出版されているので、1つの作品群とみなすことができる。そして第77番はその前の第76番とは対照的な曲である。第76番のはちきれるような快活さに比べると、第77番はしっとりと落ち着いた趣きに感じられた。
ロイ・グッドマンの演奏は、しかしながら決して重くなったり引きずったりはしない。それどころか非常に楽天的で健康的である。それはここでもうしろでチェンバロがポロンポロンと鳴っているからであろう。この表現がこの曲につきまとうものかどうかはよくわからない。なぜなら別の演奏で聞くと、また違った感じがする。表現の幅が広まり、曲の様々な側面が現れていくのもまた、聴き比べの面白さではある。だがこのような目立たない曲では、どれくらいそういうことができるか。
第2楽章などはさらにしっとりとして、通奏低音がバロックのような雰囲気を出す。だがアダム・フィッシャーの演奏で聞くと、それはまた随分違う。第3楽章についても同じで、速度が倍くらいに遅い。好みでは、私はグッドマンの快速演奏をとる。都会的で楽しい。だがグッドマンの演奏は繰り返しも多く、演奏時間は長いようだ。
第4楽章は冒頭が平凡に思えるが、展開されていくと快速のまま突入するフーガもあり、木管の重なりは何かモーツァルトのようでもある。創作の確かな筆致が、生きた息使いを感じさせる。ハイドンは乗りに乗って作曲を進めていたのではないかと想像してしまう。
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