プーケットでの滞在は、家族連れのバケーションであることを最大限考慮し、滞在型のホテルと決めていた。知り合いがLaguna Beach Resortというところがいい、と言ってくれたので、今回はホテルで嫌な思いをしたくないと考え、そのホテルの予約を試みた。ところが、非常に高い部屋しか空いておらず、仕方なくその近くのホテルということになった。それが開業したばかりのAngsana Laguna Phuket(アンサナ・ラグーナ・プーケット)で、ここは昨年夏までSheraton Grandeとして開業していた5つ星のホテルである。
これらのホテルに、より高級なBanyan Tree、エコノミーとされるBest Western、小規模で落ち着いたDusit Thaniと、さらに長期滞在者向けの滞在施設、それにセカンド・ハウスの居住地区がすべてひとつの地域を形成している。もちろんきれいな海がそばにあり、Ban Taoビーチと言うのだが、これらが一体となってラグーナ地区と呼ばれている。
その名のとおり、ラグーンすなわち潟湖があって、その形が何とも奇妙なのは、それが自然にできたものではなく、もちろん意図して作られたわけでもなく、かつて錫の採掘で掘られた後だからということだった。一体をリゾート開発して、タイとは思えない西洋化された雰囲気(従って高い)に囲まれ、悪く言えば高価で街へ出かけるのに不便な環境、良く言えば風紀と治安の良い地域である。空港からタクシーで約30分ほど南に下ったところであり、あの絢爛たるパトン・ビーチとの丁度中間辺りに存在しているということは、日本で買ったガイドブックにも記載されているし、インターネットで検索すればその美しい写真とともに、ホテルの部屋や滞在者のブログまで一発で見ることができる。
だが、何と言っても実際に行ってみるまでは、本当のところはわからないものだ。どれほど技術が進歩しても、写真や文章で知る情報は、実際のものとは異なる。美しいと言われれば想像が膨らむ。それが実際にどのよいうに美しいかは、見てみるまではわからない。だから、やはり旅行の楽しみはつきないものだが、今回ほどそのことを実感したことはなかった。それは想像通り、いや想像以上に素敵だったからである。
写真はそのホテルから見たラグーンの風景で、二時間とはいえ時差ボケのせいで朝早く目覚めた私は、家族を部屋に残して散歩にでかけた。1週間以上滞在するのだし、まだ疲れも残っているのだからゆっくりしていてもいいではないか、ともう一人の私が風邪気味の私の自制を促したが、その考えは誤りであった。寝ていたのではわからない素敵な朝の風景が、私を待っていたのである。静かな熱帯の朝を、小鳥がさえずり、心地よい風が吹き抜けていった。ラグーンにせり出したコテージ風の客室はすべてつながっていて、どの部屋も廊下に出ればそこは外・・・つまりオープンなのである。クーラーを切って寝ても暑くなく、毛布をかぶらなくても寒くない理想的な夜だった。そしてまだほとんどの人が心地よく寝ている遅いリゾートの朝は、私にいっときにして贅沢な空間へと誘うのであった。
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