2012年1月20日金曜日

プーケット・香港への旅-トラムとバスに乗って

香港島を東西に走る路面電車(トラム)は世界でも珍しい二階建てである。実際観光客には大変人気なようで、二階席の最前列にはカメラを構えた人がいつも乗っている。かつて20年以上前に来たときには、そういう感じではなかった。乗り場はわからないしいつも混んでいる上、料金の精算がややこしい。だがオクトパスの出現によって観光客にも身近な乗り物になったのだろうと思う。

オクトパスカードとは香港で使える電子マネーのことで、パスモやイコカと同様、決済時にピッとかざして使用する。予めチャージ(増値)しておくと、その額になるまで使え、しかも1回に限り、その額を超えてもデポジット分を切り崩して使える。そういうわけで香港を訪れる人はみな、オクトパスカードを持っているか、空港などで買う。そのためのカウンターも充実しており、わかりにくいバスや切符の必要なMTRにも使えるので大変便利である(コンビニでも使えるし、増値できる)。

日本より歴史のあるこの電子マネーは、実は日本の技術が使われているらしい。子供用もあり、3歳以上は料金が必要だが、その場合に「ピッ」の音が変わる。トラムは降りる時にかざすだけだが、すべての停留所に留まるとは言っても、二階席から下へ降りて順番に降りるためには、数ストップ前から人ごみをかき分けて前方へ動くなど準備が必要だ。もちろんアナウンスはない。

トラムは次から次へとやって来るが、稀に5分以上1台も来ないことがある。そういう場合は間違いなく大混雑なので、さらに遅れる。乗れない人はタクシーに乗ったりして先を急ぐ人も多い。で、遅れが続くと後ろから次のトラムがやってくるので、結果的には混雑が分散するという合理的な仕組みである。車体全体に塗られたカラフルな広告も楽しい。

ルートは単純だが、注意をしないと行きたいところの手前で折り返す場合もある。行き先は漢字と英語で記載されているが、来た電車がどこまで行くかは覚えておいて都度判断するしかない。最も遠くまで行く電車は、本数が少ない。私は西營盤と銅鑼灣を何度も往復したが、西行きでは上環行きには乗れず、東行きの時には跑馬地行きを避ける必要があった。この区間では大通りを行くため、路面電車らしい狭い道を抜けていく感じはあまり体験できない。なので一度端から端まで乗ってみたいと思っているが実現していない。MTRが発達しても、安くて便利なトラムの人気は衰えそうにない。

トラムに乗って銅鑼灣に出掛けたのは、大変有名な台湾のレストラン鼎泰豊の香港店に行くためである。日本にも店があって、私も一度出掛けたが、妻によれば上海の店はその比ではなく美味しかったとのことである。食にうるさい香港のことだ、そういう店があるのなら開店と同時に足を運んでみたいと、朝食も取らずに香港ホテルへ。その1階にある店に案内されてやはり驚いた。開店したばかりというのにもうほとんど席が埋まっているのだ。私は案内されるまま小龍包を何種類かと、忘れがたい鶏肉の紹興酒漬け、さらにはチャーハンなどを頼んだ。

シートに記入して店員に渡すと、直ぐに料理が運ばれてきた。周りを見ると、みな大人数でわいわいやっている。私達のような家族連れもいて、日本人だとわかると丁寧に説明もしてくれる。このようなサービスもこの店の特長だろう。お昼だと言うのに動けないほど食べ、勘定をすませて店を出ると、そこには長蛇の列ができており、みなメニューを抱えて注文品の記入に余念がなかった。


もう一つの有名なトラムは、100年以上前にできたピーク・トラムである。言わずと知れたスイス製の観光用登山電車で、物凄い急勾配をビクトリア・ピーク目指して登っていく。ところが年々人気が高くなり、私が今回乗った大晦日の夕方は、何と一時間も待つこととなった。このトラムのもう一つの見所は、途中に通過する線路沿いの高級アパートが垣間見られることだ。けれども結構高くつくので、2人もいればタクシーで頂上まで行ってもらうか、もしくは路線バスを使うのが良い。路線バスも2階建てで、二階席に乗ると振り落とされるようなスピードでカーブを抜けてゆくので、トラム同様スリル満点である。私たちは今回、トラムで上りバスで降りてきた。バスは中心地から行けるので便利である。

昔は何もなかった展望台も、今ではさらに立派な(そして高価な)展望台まで付設されているが、景色のいいところへ行くのにわざわざ追加料金を払わなくても良い。それにしても年々高くなっていく高層ビルがとうとう展望台の高さに達した感がある。カウントダウンも始まるということか、上ってくる人も多かったが、かといってレストランなどは比較的閑散としていた。寒かったからかも知れない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブラームス:「ハイドンの主題による変奏曲」変ロ長調作品56a(クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団)

ブラームスの今一つの管弦楽作品「ハイドンの主題による変奏曲」は、ハイドンの作品を元にしたものではない。ハイドンの作品とされていた頃のディヴェルティメント第46番変ロ長調Hob.II.46の第2楽章を題材としている。この曲は「聖アントニウス」というタイトルが付けられているように、古...