クリスマスをここで静かに過ごし、水泳を始めた息子の相手をしつつ毎日ビーチやプールで泳いだ。浮き輪に投げて遊ぶボールも買った。プーケットの他の地域への観光は、主に昼からタクシーを手配して出かけたが、それらはパトン・ビーチ、プロンテプ岬、シャロン寺院、プーケット・タウン、それにラグーナのダウンタウンである。
私たちの滞在もあと2日を残すのみとなって、長いと思われた旅行も折り返し地点を過ぎていた。まだ利用していない施設として息子はKid's RoomでWiiか何かをして遊び始め、妻は一度だけはと評判のAngsana Spaを利用した。私はもっぱら洗濯物の手配とタクシーの交渉、それに1時間500バーツの海岸沿いのマッサージなどを利用した。持っていった携帯ラジオを聞くのは、私のひそかな楽しみである。ただ世の中はiPadで世界中のインターネット放送が聞ける時代だ。ホテルにもインターネットルームがあったし、各部屋には自由に使える無線LANが完備されていた。
私はiPadでラジオ日本の放送スケジュールを検索し、その日本語放送の時間に合わせて短波ラジオをチューニングしてみた。すると午前9時(現地時間)からのシンガポール中継が物凄く良好に受信できた。その時の受信音を一度ブログに公開してみたかったので、ここに置いておく。
ホテルのバーではリゾートらしくほぼ毎晩バンドによる演奏が行われていた(火曜日から土曜日)。ここのギターを弾くボストン生まれのアメリカ人のおじさんは、タイ人の奥さんと結婚しており、ここで同じような曲を毎晩歌っていた。どういうわけか息子はある日、そのバーの最前列に腰掛け、彼らの弾くカントリー風の曲(懐メロ)に見入った。ホテルのバーは、レストランに比べてもさほど高くはないので、私もカクテルなどを注文してでかしソファに寝そべり、彼らの音楽を聞いていた。よく見ると毎晩同じ人が同じところに座っている。みないっときのリゾート気分を名残惜しそうに過ごしているように見える。
カウンターからピーナツやビールが運ばれてきて、そよ風に吹かれながら喉を潤していると、子供がまわりを走りまわり、リクエスト曲などを告げに行く。家族連れが多いホテルなのでどこにも子供がいるが、もともと客がそれほど多くはないので嫌にならない。休憩時間が来て我が息子のところへギターのおじさんがやってきて話しかけ、私も英語で応じていた。2歳の孫がいることや、次回は一緒に歌おう、などと言ってくれる大変気さくな人だ。広いホテルの中庭にバンドの歌がこだまし、装飾で明かりのついた木々や芝生、プールなどが大変美しく感じられた。
私は結局4回もこのバーに通い、寝る前のひとときをリラックスしたムードで過ごした。地元のカクテルなどをゆっくりと飲んでいると、自分がどこにいるのかも忘れそうだった。
プーケットを経つ前日、私はいつものように海岸へでかけ、ここで20年も毎日売店をしているおばさんに別れの挨拶をした。記念に写真をと言うと、喜んで看板の前に立ってくれた。息子の丸刈りの顔を撫で、ネックレスの仏陀を見ては何かと話しかけてくれた。次回もまた来てね、とおばさんは言い、私もきっと来るよと答えて別れた。思えば一人で旅をすると、このような小さな出会いや別れが何とも胸に響くものだ。そういう経験はもう20年以上もご無沙汰である。だが、今回私は久しぶりに昔世界を歩き回った時に感じたような、旅行の感覚・・・様々な出来事を自分の経験と勘でこなしていく冒険的感覚を呼び覚ますことができた。嫌な思い出はほとんどなく、そしてランの花咲く微笑の国の人々は、毎日笑顔で私たちに接してくれた。海の向こうに沈みかけた夕日に照らされて、おだやかなプーケットの海は静かに暮れていった。
0 件のコメント:
コメントを投稿