2012年1月12日木曜日

プーケットへの旅行-Patong Beach

プーケットで最も賑やかなパトン・ビーチは、ラグーナ地区から南へ40分ほど下ったところにある。普通「プーケットへ行く」というとこのパトン・ビーチ界隈のホテルに泊まることになるようだ。ここはタイであってタイでない、というとどういうことか分かる人にはわかり、わからない人にはわからないと思うが、つまりはタイにしかないようなタイらしくない場所である。

歩いている人はヨーロッパ人が多く、その雰囲気もラグーナあたりのリゾート客とは少し違う。街中がネオンの洪水で、夜通しロックのかかるバーが軒を連ねている。実際ここが活気づくのは、夜も更けてからである。私たちは、クリスマス・イブのお昼にここへでかけ、9時過ぎまで滞在した。

ラグーナの海岸のおばちゃんの息子が運転するトヨタのタクシーに乗って、海岸沿いの道をいくつもの山を超え、渋滞が激しくなったと思ったらそこがパトンだった。私たちはカオマンガイと呼ばれる料理(蒸した鶏肉が乗ったご飯)の美味しいと評判の店を探すべく、その近くで降り立ったのだが、なかなか目指すレストランはみあたらない。道端のマッサージ屋の表で暇そうにしている女性たちに尋ねると、たくさんの人が寄ってきて長い時間をかけて地図を解読してくれた。英語の話せる主人が、ここからは30分程度かかるという。だが歩き始めるとすぐにその店(というよりは屋台を少し大きくしたような地元の店)があった。3人で150バーツ(飲み物付き)だったと思う。

土産物屋を探しながら、銀行で両替もし、そして最も人通りの多いバングラ通りを海岸に向かって歩いた。息子がBang Taoビーチで遊んでいると、たまたま通りがかった物売りの女性から、私の知らないうちに十字架のネックレスを買ってしまった。息子は大いにそれを気に入っていたのだが、仏教徒の私としては「どうして大仏さんのにしなかったの?」などと言ったところ、息子は「自分も大仏のが良かった」などと言い出した。しかしその物売りの女性に再会することは難しい。「そんなもの、土産物屋に行けばいくらでもあるよ」と言ったのだが、息子はそれを信じてしまった。パトン・ビーチでの目的は、まずはこのネックレスを探すことにあった。ところがこれがないのである。

私たちは、あらゆる場所へ歩いて行き、土産物屋に顔を出した。でも仏教国タイにあっても、ここはそのようなものは売れないのだろう、どこにも置いていない。仏像や仏様の置物などは非常に多いのだが、適度な大きさのネックレスというものが見当たらないのである。

バングラ通り沿いのショッピングセンターで、夏の夜に着る室内着を何着か、それに日本への土産物を物色した後、ビーチに出た。丁度日が暮れる頃で、数多くのチェア貸し屋が店じまいを始めたところだった。その観光客の多さは、さすがにパトン・ビーチだと思わせたし、その入口の前から海岸沿いに続く通りには、数多くのレストランが並んでいてどこも賑わう前の準備に勤しんでいる。小魚を足に吸わせてマッサージをする店も多く、ロシア人が楽しそうに足を入れている。しかしどこを探しても仏陀のネックレスがみあたらない。

アイスクリームを食べたり、バックパッカーの集まるような安宿地区などを、かつての旅行を思い出しながらなつかしく散策しているうち(といってもここは初めてである)、日もくれてお腹もすいてきた。私たちは少し引き返したところにあったショッピング・センター「ジャンセイロン」に入った。地下にフードコートがあるとわかったので、さっそくその巨大なアーケードに足を踏み入れた。

フードコートの美味しさは、その殺風景な店構えとは裏腹に、ちょっとしたものであることはタイを無銭旅行した者なら知っているはずだ。タイ各地の料理のブースが並ぶ中で、私は赤い焼豚の乗った焼そばとシンハー・ビール、それにスイカのシェイクを注文した。クリスマスイブの土曜日ということもあってかなりの人出だったが、家族連れはたいていもう少し高級なレストランに行く人が多かったようだ。フードコートはかなり閑散としているし、土産物屋も暇そうだ。

夜も8時を過ぎると、ショッピングセンター内はかなりの人出となった。噴水やサンタクロースの象、それにツリーなどが飾られ、有名なレストランは家族連れで賑わっている。ストリート・ミュージシャンのショーに見入るうち、そろそろ帰る時刻となった。ショッピングセンターを出たところでタクシー屋が声をかけてくる。Bang Taoビーチまで700バーツの規定料金だそうだ。タクシーではなトゥクトゥクではどうかと言ったら同じ料金だと言う。ところが家族がそれに乗りたいと言い出した。そこで私たちは1台のトゥクトゥクを手配し、足を前に伸ばして投げ出されないように注意しながら夜のパトンビーチを走り抜けた。

昼に歩いた通りは、見間違うほどに活気づき、店という店、レストランというレストランはきらびやかに電飾が施されていた。かなり渋滞していたが、慣れた運転手は猛スピードで他車を追い抜き、夜の集落や山野を超えて夜のラグーナへ帰りついた。もはや喧騒はなく、蛙の鳴く静かなクリスマスの前夜の風が、火照った私の顔を撫でた。息子は買ったサンタクロースの帽子をかぶったまま、車の中で心地よい眠りについたようだった。

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