2012年4月2日月曜日

ベートーヴェン:交響曲第1番 ①ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ここからは、一度触れたベートーヴェンの交響曲について、主として好きな演奏の観点から、思いつくまま書いてみたいと思う。全ては私のディスクのコレクションで、聞いていない演奏については書いていない。

ハ長調の第1交響曲は、私にとって長い間、馴染めない曲だった。もちろん曲のメロディーは口ずさめるほどに聞いているのだが、なかなかいい曲だとは思うことがなかった、というのが正直な感想だ。そのため比較的後になって聴き始め、いまでは最高に好きな曲となった第2番とは、対照的であった。そのような中でウォルフガング・サヴァリッシュがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮して90年代に録音したベートーヴェン全集の中から、この第1番を聞いた時には、初めて名演奏に出会った気がした。

何となく春の初めの頃の海岸を行くようなイメージがある。それで丁度今の時期、まだ桜が咲くか咲かないかの日に、明るい陽光が降り注ぐような感じのこの演奏は、NHK交響楽団でもお馴染みの指揮者によるもので、驚きがある演奏では決してない。どこまでもサヴァリッシュの演奏だと思うようなところがある。私はサヴァリッシュが好きなので、このようなベートーヴェンの演奏は甚だ好ましい。第2楽章のそぞろ歩くような感じがまた何ともいい。早歩きの最近の演奏風ではないが、かといって遅すぎない。何の変哲もないが、そこが気に入るか、どうか。

第3楽章のスケルツォ風メヌエット、第4楽章も中庸の演奏で、パン、と明るい音がする。全体に落ち着いていて、いまでは聞かれなくなった感じの演奏だな、などと考えてしまう。録音がいいのがこの演奏のいいところだが、このCDは他に第2番、第3番「英雄」、そして第8番のカップリングである。無圧縮のPCオーディオによる再生で、何か聞き古したような演奏が、細部にまでクリアに蘇って嬉しい。ちょっと保守的な感じがするが、音は現代風で、そのようなところがサヴァリッシュ風である。

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