
何となく春の初めの頃の海岸を行くようなイメージがある。それで丁度今の時期、まだ桜が咲くか咲かないかの日に、明るい陽光が降り注ぐような感じのこの演奏は、NHK交響楽団でもお馴染みの指揮者によるもので、驚きがある演奏では決してない。どこまでもサヴァリッシュの演奏だと思うようなところがある。私はサヴァリッシュが好きなので、このようなベートーヴェンの演奏は甚だ好ましい。第2楽章のそぞろ歩くような感じがまた何ともいい。早歩きの最近の演奏風ではないが、かといって遅すぎない。何の変哲もないが、そこが気に入るか、どうか。
第3楽章のスケルツォ風メヌエット、第4楽章も中庸の演奏で、パン、と明るい音がする。全体に落ち着いていて、いまでは聞かれなくなった感じの演奏だな、などと考えてしまう。録音がいいのがこの演奏のいいところだが、このCDは他に第2番、第3番「英雄」、そして第8番のカップリングである。無圧縮のPCオーディオによる再生で、何か聞き古したような演奏が、細部にまでクリアに蘇って嬉しい。ちょっと保守的な感じがするが、音は現代風で、そのようなところがサヴァリッシュ風である。
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