
その第2番の演奏で、私がもっとも惹かれているのが第2楽章である。かつてのルバートを多用した演奏とは違い、古楽器系の演奏は快速で変な情緒がない。それは全くといっていいほどあっさりしているので、初めて聞いたときは「これが音楽か?」と感じたものだ。ビブラートに代表されるように、あるいは演歌のように、メロディーはたっぷりと抑揚を聞かせ、時には音を震わせて「歌う」、それが「音楽というものだ」と音楽の時間にならったか、あるいは知らず知らずのうちに思い込んでいた。
だが最近の演奏は、その考えを裏切る。けれども慣れてしまえばこんなに清々しい演奏はない。丁度春が来てコートを脱いだ時のように、新鮮である。この演奏で聞くラルゲットは、ベートーヴェンが指定したメトロノームの指示に従っている。ピアニストだったベートーヴェンはもしかしたら、このような速い演奏を思い描いたのかも知れない。その速度指示がCDの裏面に表示されている。
この曲の第2楽章を聞くと、一日中頭の中で鳴っている。だが、第1楽章と第4楽章の迫力も実に堂々としたものだ。この両端楽章は、私はとても充実していて完成度が高いと思う。これにラルゲットとスケルツォが加わって、大変魅力的な作品が第2番だ。ノリントンの演奏は、その新しい魅力を伝えてやまない。
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