アナログ波形をデジタル化する場合には、まず短い時間に区切って音波の振幅を測る。当然のことながら、この区切り時間が短いほど音はいいということになる。それでCDで採用されている44.1kHzよりも、96kHzとか最近では192kHzのほうが音はいいということになる。これらのCDを超える音源は、当然ながらCDでははく、ダウンロードもしくはDVD-ROMなどにより入手することとなる。N-30ではこのようなファイルも再生可能ということだが、私はまだこの領域に入っていない。e-onkyoという日本では草分けのハイレゾ配信サイトがあり、PentatopneやChandosなどのクラシック・レーベルも一部が入手可能である。今後試そうとは思っているが、ファイルサイズが大きくてサウンロードに時間がかかる。
もう一つの指標である量子化ビット数は、サンプリングによって区切られた音の振幅を何ビットで数値化するかという値で、多いほど音の情報量は多い。よってこれもCDの16ビットよりは、24ビット、さらには32ビットなどというように、「音質は良くなる」。
CDの数値、すなわち標本化周波数44.1kHz、量子化ビット数16bitを基準にすれば、192kHz/24bitなどというのがいかに高音質か、ということだが、では人間の耳がこれを聞き分けるのかとい言えば、必ずしもそうではないと思われる。耳そのものの機能(は老化で衰える)、音楽を聴く環境、体調などに比べれば、無視出来るほどではないかと思う。CDの音質がもっと良くなればそれに越したことはないが、そもそもCDの音質を充分に再現できているのだろうか。
そこで、ネットオーディオの世界において、ハイレゾ音源をトライする前に、すでに入手しているCDの音をミュージック・サーバとして再生し、CDをいちいち取り出してトレーに乗せるという行為をなくすという今ひとつの目的に、まずは熱心に取り組むことになる。
ハイレゾ音源は魅力的な領域だが、まだ数が少ない上に高価である。一方30年もの歴史のあるCDはコピーフリーのメディアで、今もって音楽鑑賞の主流である。CDのコレクションを言わばジュークボックスのようにワンタッチで聴くことが、この楽しみの目的の一つである。だが、そのような目的のために数多くのCDをいちいちリッピングするのも大変な手間である。従って、コピーして再生する音質が、元のCDをそのままCDプレーヤーで再生するよりも低いなら、この取り組みは直ぐに挫折しかねない。ところがそうではないのである。
CDの音質は、かなりのレベルのCDプレーヤーであっても、CDを駆動する装置からノイズが出たり、読み取り時のエラーがあったりする。このようなエラーに出くわしたとしても、CDを途中で止めて再度繰り返すことはできないので、そのまま一発勝負で再生が進む。しかしネット・オーディオの世界では、このデジタル・データの再生、デコード、アナログ変換を、CDの駆動とは別に実行することができるのである。これによって、もっとも良い状態で読みだしたCDの信号を、他の影響を極力排した形で再生することが可能となる。これがネットオーディオの(おそらく現時点では主流の)楽しみである(今一つは上記のハイレゾ再生、さらにはインターネット放送であろう)。
CDを一度コピーする(リッピング)作業に手間をかけ、かなりの量のデータを保存するディスクを準備し、さらに再生装置としてUSD DACもしくはネット・オーディオ環境を構築する理由がここにある。そしてそれはやる価値が大いにあると言える。投資すべき機器は以下の通り。

OS(Windows7またはMacOS)
リッピングやファイル変換用のソフトウェア
ネットワーク・オーディオ装置またはUSB DAC
アンプとスピーカー
無線LANルーター
インターネット接続環境(光)
ハードディスク(またはNAS)
iPad/iPod touch/iPhoneまたはandoroid搭載端末(遠隔操作用)
コード類(UTPケーブル、USBケーブル、RCAケーブル)
ここでおわかりように、もはやCDプレーヤーなるものが不要となる。そしてもしハードディスクで管理されたデータが、誤って削除されることがなければ、CDも不要である。なぜならCDと同等かそれ以上の高音質の音楽は、ダウンロードで入手可能だからである。
そういうわけで、高速インターネット環境の普及によって、CDというメディアが博物館入りする日もそう遠くないかも知れない。ただ現在のハードディスクは物理的に破損しやすいので、その意味でディスクでの保存という形態は、しばらく続くだろう。でも販売メディアとしてのCDは、その歴史的役割を終えたと言っていい。
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